ある男に伝えたいおじさんの長い話

ヨーヨー

先輩は、遥か彼方で世界レベル。

後輩は、A部門に上がる後輩も増えてきた。

大人に混じって結果を出している子もいる。

スポンサーを受ける子も出てきた。

さらに、同じ部門に同期はほぼいない。

だから、自分の部門の未来は自分が握っている。

いつから自覚していたかわからないが、そうかもしれない。

君のそんなメッセージを聞いたおじさんが思ったことをたくさん伝える。

いいか、この話は長いぞ。

さらにまとまっていない。

全部覚えて聞けってわけじゃないが、何かどこか引っ掛かるところがあると嬉しい。

ただ、どこの誰かわからないただのヨーヨー人が好きなおじさんの話だ。読んでいるとも限らないけど、

おじさんという生き物は思っていることを話さずにはいられない性分なんだ許してくれ。

昔話をしよう。

2021のJNで君のフリーに勇気づけられた人がいる。きっと一人じゃないはずだ。

酔う酔うナイトの配信でも岡田氏が話をしていた。

本当に感動したんだ。

うまい下手ではなく、君の心意気にだ。

JJで部門優勝したから次の年のJNの決勝シードがある。

ただこれは義務ではない。 権利である。

「出場しても良い」 大会のルールでそうなっているだけだ。

大会に出ようか悩んでいる大人の思考だと

「周りがうまいし、自分がA部門に出ても恥をかくだけだ。」

かっぱ先生はそのタイプだ。

でも、君はそうじゃなかった。

おそらく周りとの差は知っていたはず。

君の今年のコメントからそうわかる。

その当時、君は小学校高学年だ。

聡明な君ならいろんな物事を見てきて知っていたはずだ。

それでも君は、「出る。」という判断をした。

日本中の競技人が憧れる舞台に

日本中の競技ヨーヨーに興味を持つ人たちが注目する

Youtube ニコニコ生配信を通して全世界に放映される。

そんなステージに君は一人で立ったのだ。

いろんな人の支援があっただろう。

応援されたから出なくてはならない訳ではなく、みんなは応援したいから応援したのだ。それに応える義務はない。

それでも君は一人で立ったのだ。あのステージに。

自分のできることを、自分の精一杯をあの3分間にぶつけたのだ。

技が決まった決まっていないの話ではない。

あの猛者ひしめく頂点を決める大会の舞台に

君は一人の選手として3分間演じ切ったのだ。

最も注目される3分間をやり切ったのだ。

君は本当にすごいやつだ。

その心意気にグッときた人間は少なくとも一人はいる。 おじさんのことだ。

おじさんは、次の年A部門にエントリーしたんだ。CJだ。

結局ひよって、コロナのせいにして出なかったんだけど、

悔しくて2023の世界のワイルドカードには出たんだ。

出た後に色々あって、自分のフリーすらで見返さなかった。

好きな選手の世界最高のフリーですら見なかった。

ヨーヨーから距離をあけたんだ。

逃げたわけだ。

それでも、またヨーヨーのように戻ってきて、

今年のCJで君の決意を現地で聞いた。

思っていることを、自分の言葉として出して自分の声明として出したのだ。

おじさんはその気持ちにもうグッときたんだ。

一番前の列で思わず叫んださ。

「よく言ったー!!!」

こんなあつい気持ちにさせられたのは、もうしばらくない。

君はまだ知らないと思うし、この先も知らなくていいことなんだけど

人間は何もせず歳を食ってくると、心の熱が冷えて氷みたいにもろくかたくなる。

そんな心を溶かしたんだ。

ヨーヨーがすごいんじゃない。

君が本当にすごいやつなんだよ。

ちょっと話は変わるけど。

おじさんは妻の影響で、バレーボールをよく見るんだ。

女子のバレーボールの選手で、好きな選手がいる。

もう引退してしまったんだが、荒木恵梨香という選手だ。

おじさんが見た頃には、日本代表のキャプテンとして引っ張っていた選手だ。

興味を持って色々調べてみると、

おじさんが若い頃にも有名なバレーの選手が注目されている時期があり、その頃にも荒木選手はいた。

しかし、その当時、荒木選手の名前を聞いたことはほとんどない。

いつも名前を聞くのは花形の選手だ。

花形の選手が引退しても、荒木選手は残ってバレーを続けた。(途中出産のために抜けたが再度復帰している。)

特に秀でた能力はない。強いていうなら体格に恵まれている。

人よりも技術の習得は遅い。

でも彼女には、長く続ける中で、

ここ一番で決めるメンタルを身につけた。

チームの中で心の拠り所となる存在となった。

長く続けることで、その中で見つけたものを最大の武器にした。

ヨーヨーの世界にもいるだろう?

長く続けることで、競技ヨーヨー選手の心の拠り所になっている人が。

おじさんは君より少し長く生きているからちょっとわかってきたんだが、

一つのことを続けられることって本当にすごいことなんだ。

世の中には続けたくても続けられない人や、続けたいと思うものが見つけられない人がたくさんいる。

荒木選手も色々伸び悩んでいた時期があると、とあるネット記事に書いてあった。

同期の選手は10代からオリンピックで活躍する中、自分は選考落ち

そしてオリンピックに出ることばかり執着していた。

しかし、練習しているうちに、「逃げたい」という感情が出てきた。

その時に恩師にかけられた言葉が

「バレーボールで大事にしたい価値は何なのか?」

そこから荒木選手は、自分が大事にしたい価値は

「オリンピックに出る。」ではなく

「バレーボールでうまくなりたい。」という自分の原点に立ち帰れたんだ。

君の場合はどうなんだろう?

おじさんの場合は、

もちろんうまくなれたら楽しいんだけど、

「みんなと一緒に楽しむため」

が一番大事な価値だと思っている。

だから競技ヨーヨーを初めてみる人でもわかりやすいように気をつけてブログを書いているし、

地域の子どもにヨーヨーを教えて、みんなと楽しみたいと思っている。

昔、オンラインでヨーヨー練習会を開いていたこともある。

競技の人の気持ちを知るために大会にも出てみた。

たくさん出場する中で選手に仲間意識ができたし、

大会のフリーの見方が変わったよ。

でも、おじさんは上手くなることよりも仲間を作ることの方に価値を見出してしまったんだ。

君の場合は、

「ヨーヨーで大事にしたい価値は何なのか?」

どうだい?

君のフリーをいつか見て、3Aをやりたい子どもが出てくるだろう。

そんな時まで続けていてほしい。

これはどこか遠くにいるおじさんの勝手な願いだ。聞いてもいいし聞かなくてもいい。

ただ、おじさんがもし地元でヨーヨー教室を開いて、

子どもたちの中に競技ヨーヨーに興味を持つ子がいて、

3Aをしたいっていう子がいたら、

初めに紹介したい選手は

君だ。

ハンク・フリーマンでも、ミウラハジメ、クリタトモヤ、フルタミナトでもない。

おじさんの知っている3Aうまい友だちでもない。

ゆくゆくは紹介するだろうけど、

最初に紹介するのは君だ。

それだけのものを既に君は持っているぞ。

それを忘れないでほしい。

おじさんの長い話はこれで終わりだ。

最後まで聞いてくれてありがとう。

CJでは感動をありがとう。

今後の君の活躍に期待している。

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