もしかして我々はヨーヨーを人に薦める時、より競技的な方向に薦めているのではないだろうか。

ヨーヨー

これは、自分自身への戒め、気をつけたいことの覚書です。

はじめに 三つの目を大事にする。

私自身日々、どうやったらヨーヨーを広めていけるのかということを常日頃考えています。

その時に必要になっているのが、どんなヨーヨーを使うかです。いわゆる、初心者向けヨーヨーです。

初心者向けヨーヨーについて色々考えていたんですけど、私も含めて多くの人は、競技の方向に薦めているのではないかと思いました。

SNSでよく盛り上がる話として

「引き戻しかバインドか」「ファーストヨーヨー」が挙げられます。

私は、宗教戦争と称していましたが、実はこれ、見ている方向、見ている高さ、見ているところが違うから起きていただけではないのかと考え始めました。

見ている方向 → 目標  ・・・ヨーヨー普及の目指す場所

見ている高さ → 目線  ・・・誰にターゲットを当てているのか

見ているところ →視点  ・・・どんな体験をさせるのか。

そして、この3つの目を、共通認識した最大派閥が与える影響が、今後の広がっていくそうに一番影響を与えて、数年後のヨーヨー界隈の形になるのではないかと考えています。もしくは、潜在的なヨーヨー人の層に刺さる行動を起こした人間の影響が色濃く出ると思います。

【目標】どういう層を広げていきたいのかを定めないとまず話にならない。

広げたい層が違うとアプローチがちがう。

 ヨーヨーを始めようとする人を見かけた時に、私たちはつい嬉しくなって色々教えたくなるものです。おじさんとはそういう生き物なのです。自分の感性を相手についつい共感して欲しくてたくさん話してしまいます。

 自分自身がどういう層を広げていきたいか、どんなことがヨーヨーの楽しみ方としてあるべきなのか。ヨーヨーに対する思想が色濃く出る部分だと思います。

ヨーヨーを知っている人なのか、全く知らない人なのか、大人なのか、子どもなのか。

 ここら辺はREWINDさんのショート動画は上手くできていると思っていて

この動画は4年前の投稿となっています。 「進化している」というキーワードから、すでに知っている層にアプローチをしたものと感じます。ブームが去ってやらなくなった人、昔できなくて諦めた人に向けての動画です。

近年はメタルのヨーヨーがどんどん発売されていて、3000円以上〜10000円という価格帯なので、子どもが簡単に手を出せるものではなく、どちらかというとお金を持っている大人を増やしていくことが普及の一つでしょう。

あとは単純にyoutube動画を浸かって子どもを集めるより、REWINDさんは岩倉や渋谷の子どもを相手にする機会が多いので大人向けにという感じでしょうか。

私自身としては、ヨーヨー人口の裾野の人間でいて、そういう人たちがもっと増えてガヤガヤ楽しみたい人なので、そういった層を増やすという目標を持っています。なので、競技の層を増やしたい人と会話をすると微妙なズレを感じることがちらほらあります。

ヨーヨー人口が少なくなり、大会を開き続けてきた歴史がゆえ、競技層が多くいる。

ハイパーヨーヨーのプロモーションが終了し、それでもヨーヨーの腕を磨いてきた人たちが技を見せる場として大会を開催し、競技層が多く残っていった。1

そんな歴史から競技層が多く残り続け、新規の参入するハードルというものが高くなってしまったのではないでしょうか。

競技の層だけが残っていくと、教える層がいなくてなかなか入りにくい。つまり、

「あ、めっちゃ面白そう。でもどうやって始めたらいいの?」

という情報が不足するのと、情報を元に教えていく チューター的な存在の人が不足していたのではないでしょうか。

ブームが去っても残る人たちなので、メンターがいなくても自分たちで切磋琢磨し合えますが、初心者の人たちは導入の時点でつまづいてしまうと、続けにくいです。

現在はお店の発信や動画サービスの向上、ネットショッピングの普及により、始めるハードルがすごく下がっている上に、競技をしない人たちが増えてきつつあるので、そういった方々からチューターが出てきているでしょう。もっと増えてくると、インストラクターが必要になりそうですね。

広げたい層を受け入れるキャパシティはプレイヤーにかかっている。

入ってきた人がどういった層に属するのか? そこがいちばんのポイントです。

競技をするように向けていくのか? それともそうではない向きなのか?

ただ、その人がヨーヨーとどういう関わり方をするのかはその人が決めるのであって、強制できるものではありません。

ヨーヨーを振っていない人が、趣味がヨーヨーです。というのは難しい。
他の例で考えると、サッカーをしていない人がサッカーが趣味ですとはなかなか言えません。

しかし、サッカー観戦が趣味な人は、サッカーが好きです。というのはできると思うんです。

同じように、「ヨーヨーを見るのが好きです。技を見るのが好きです。集めるのが好きです。」という人が「ヨーヨーを好きです」といってもいいはずなんですよ。

それができるようになるには、私たちのようなヨーヨーの沼に浸かっている人が

「へー! いい楽しみ方じゃん! クールだね!」

っていえるような寛容な心が必要なんです。

「何? お前パラオートスコピー持ってんのに3Aやんねえの!?」とか

「お前みたいな初心者がこのヨーヨーを買うには早すぎる。お前のせいで他の人が買えなかったんだ。」とか

そんな人たちがいるものに対して新規が残っていくかと言えば、まあ残っていきませんよね・・・。

以前ヨーヨー社労士の飯塚知世さんとお話する機会があってそのときにお話されていた中で

「競技に向かう人は勝手に向かう。」とおっしゃっていました。

確かにそういうところに向かいたい人が自分から行きますよね。そして、競技の層は多いので自然と情報を探しやすい環境になっています。飯塚さん自身がやうやうのプロデューサーであり、選手でもあるのでアクセスしやすい環境とも言えますね。

【目線】君たちの考える初心者ってどのレベル?

メーカーが出すエントリーモデルのターゲットは、私が考えている初心者と一緒なのか?

ヨーヨーを始めたい人がこう聞きました。

このブログを書いているときにドンピシャによいポストが流れました。 なおご本人はWJ4Aチャンピオンですよ。

「ヨーヨー始めたいんだけど、どのヨーヨーがおすすめ?」

さて、あなたはなんと答える?

ここでメーカーの出すビギナー向け、エントリーモデルを提供するのがいちばん楽ですが、ちょっと待って欲しいのです。ここで考えたいのが、どういう初心者を想定して作られたヨーヨーなのかということです。

私自身は、第1期ハイパー世代で、おじいちゃんが買ってくれたハイパーブレインからスタートしています。2020年にヨーヨーを始めたときには、REWINDの動画を見て始めたのでワンスターを買いました。https://amzn.to/4aLPIMa

他にも初心者向けヨーヨーとしてメーカーが販売しています。価格だけを見て判断するのではなく、どういった機構を持ち合わせているのが大切ではないのかと思っています。

そのポイントになるのが、メンテナンスと、できる技できない技です。

ベアリングとレスポンスシステム。ストリングトリック、ルーピングトリック。大きく分けると2つです。

メンテナンスができる人は、特になんでも良いと思うのですが、メンテナンスができない人にボールベアリング機種パッドレスポンスって結構、難易度が高いと思っています。

ソースは私の妻なのですが、初めてのヨーヨーに「プルミエール」を薦めました。

SPINGEAR - FRESHTHINGS PEANUTS YOYO
重量 64 8 g 直径 57 0 mm 全幅 40 8 mm ベアリング C size PANUTS x MEDICOM TOY x FRESHTHINGS のトリプルネームヨーヨー。 片面には漫画の一コマが、もう片面にはPEANUTSロ...

デザインがよく、素晴らしいヨーヨーであることは間違いありません。 プルミエール フランス語で「初めての」という意味です。ビギナー向けであることもメーカーのサムシングからも言われています。

実際に振ってみても、「ああ、これはいい。」と思うヨーヨーです。

かっぱ先生
かっぱ先生

振り心地、操作性、回転力、申し分ない。これが初めて振るヨーヨーだなんて、羨ましすぎる。 ゼルダの伝説ブレスオブザワイルドを記憶を決してもう一度やりたいと思う感覚に似ています。

しかし、これは経験者の感想です。本当の初心者の感想としては、

「デザインがいい。けど真っ直ぐ振れない。」

縦スローが真っ直ぐできないのです。今回は、チューターとして私がいたので教えることができるのですが、これがもし一人だった場合。もう飾って終わりでしょう。

この後に色々飾りヨーを買いますが、5iveをプレゼントしたら、ヨーヨーの腕前がめっちゃ上がった話はこちら

ちなみに、メンテナンスについて考慮して作られたヨーヨーが、スピンギアのスピンガジェットでしょう。

ヨーヨー適正がズレた分はヒアリングして補えばいい。

ヨーヨー有識者は、前述した相手に合わせて「この人にはこういうヨーヨーがいいのでは。」ということがわかります。しかし、全く知識のない人はどれを買っていいのかわかりません。

実際に最近私がコマをやってみたいなあと思ったときに何を買っていいかわかりませんでした。 スピンギアのサイトを見て、これでいいのかなと思っていたら、

これは他の界隈でもそうです。「猫と暮らしたい。でも何を準備したらいいの?」 といった状態。

しかし、ヨーヨーを広めたいと思っている人たちが手の届く範囲であれば、知らない分は補ってやればいいんです。相手が何を望んでいるのか、どんなことができるようになりたいのか。

なんなら、貸してやってもいいと思うんです。他にもSNSで聞いてやってもいいと思います。

かっぱ先生
かっぱ先生

ヨーヨー始めてみようかな 何かオススメとかありますか? って人がいます!有識者助けて!!!

こんな感じに。

【視点】初心者がDNAをできるようになればいいのか?

初心者がヨーヨーの良さを感じてもらうために抑えるポイントを見極める。

ヨーヨーは楽しいものです。(様々な楽しみ方がありますが、ここではヨーヨーを振る楽しさ。始める楽しさ。スキルトイの本質的な楽しみ方として定義します。)

じゃあこの楽しいポテンシャルの塊を、全く知らない人や興味を持った人に伝えるにはどうしたらいいのか? と考えてきたのがここまででした。 つまり、HOWの部分です。(WHOは初心者で固定です。)

ここでは、WHAT 何を伝えていくのかになります。

かっぱ先生
かっぱ先生

やってみたら面白いからやってみなって!

これはどのヨーヨープレイヤーも感じていることなのですが、でも一体何が楽しいのか考えてみるといいかもしれません。

とあるヨーヨープレイヤーと話をしているときにこの動画の話題になりました。

この動画は、OFFSETYOYOのチートコードの制作を追った動画です。この動画の後半に出てくるDNAをやりまくる場面があります。

「もはやヨーヨーの大会ではない。DNAの大会である。」話をしていたヨーヨープレイヤーの言葉です。

昨今のSNSの影響で、DNAがすごくブームになっています。以前いわくら練習会にお邪魔したときにも小さい子どもが、DNAのモノマネをしているのです。

ブランドンがDNAの流行をきっかけに、チートコードを作る。 それでも、狙いたい層には価格がネックで刺さりにくい。 じゃあプラで安く作れんか? いいの出来たぜ じゃあDNA大会でも開こうか!! とかいうニーズに合わせた商品展開ってこういうことなんかなと思いました。

これがヨーヨーの良さなのか? と言うとYESとは言い切れない部分があると感じますし、

これが初心者に刺さるものなのか? と言われるとYESとも言い切れない部分があります。

第一期ハイパーヨーヨー的に感じたのは私だけでしょうか。

私自身は「はやりの技がやりやすい」と言うのは初心者向けヨーヨーの一つのステータスだと思っています。興味を持つ上では大事だと思います。

しかし、 DNAができることがヨーヨーを良いと感じるところ とはちょっと違うような気がしますので、今後の継続につながるかと言うとまた別の話だと思います。(またDNAって難しい技ですからね。)

ヨーヨーの本質は、軸と指が糸で繋がれ回転したヨーヨーが手元に戻ってくることだと思っています。(バインド、引き戻し関係なく)その途中でどんな過程をするかで技となります。ヨーヨーの軌道、ストリングへのマウント、手元に戻ってくる。技の成否が明確であり、再現性の低い遊びでもあります。

スキルトイ全般ですが、「できるようになると楽しい。」「きまんないとおもんない。」だと思います。自分の技能、能力で成否が分かれるところに魅力を感じる人にはとても刺さるものではないでしょうか。

より競技的な方向に薦めていないか?

いきなり、子どもに「ファーストヨーヨーとして」チタンを与えるなんてそんな話は聞きません。石油王ならやりかねん・・・。

始めたての大人に、パラオートスコピーを二つ渡して「3Aしようぜ」そんな人は狂気に満ちているとしか思えません。

ヨーヨーを初めて、だんだん上達し始めて、最終的に大会に出る。そういった導線はあると思います。

しかし、その道ありきでヨーヨーを薦めてはいないでしょうか。

私の年代(30代真ん中〜後半)は第一期ハイパーヨーヨーの影響で、とにかくかっこいいフリースタイルをする人がかっこいい価値観でした。大会もある。当時やっている人も多く大会というものや検定というものに向かう人が多かったです。

その影響かわかりませんが、ヨーヨーの技術が上がったなら大会に出なくてはならない。そんな価値観が自分の中にありました。

もちろん、出るかどうかは自分が決めることです。そして、うまくなるかならないかはも自分で決めることです。

REWINDの配信の「酔う酔うナイト」の中で私の好きな回でオカダカズキさんの言葉です。今でもその配信動画は、ヨーヨーとの向き合い方に悩んだときに見ます。4時間の長い動画ですが、トッププレイヤーたちが長いヨーヨー人生の中で感じてきたことをお酒の勢いも手伝って赤裸々に語ってくれています。

私たちがヨーヨーで大事にしたい価値観は何か。

私の価値観では、ヨーヨーを振る人と楽しく一緒に遊ぶことが最重要になるので、大会に出る出ないでなく、一緒に振れる友だちになるかどうかを重視したいところです。

ただうまくなりたい人と一緒に遊べないかと言えばそうではないと思いますし、この4年間でできたつながりで、より高みを目指せる練習会などに繋ぐことはできると思います。

見出しには私たちと書きましたが、ヨーヨーを薦めた相手の価値観こそ大事です。より自分を高めたいのか、だらだら振る仲間が欲しいのか、コレクター気質で同じ仲間が欲しいのか。

ヨーヨーを初めて少し経った後にぶつかる壁になります。それぞれの人たちへの導線や人脈を持っておきたいと思っています。少しでも長くヨーヨーを続けてもらえるように。

ヨーヨーを始めたことで、少しで楽しい体験ができるようにするのが私のしたいことです。
それが一緒に楽しめる相手だったらいいなあという気持ちです。

皆さんにもありますか? 大事にしたい価値観が。

おわりに 三つの”め”を大事にする。

三つの目として、以下の3つを挙げて自分の考えを書きました。

見ている方向 → 目標  ・・・ヨーヨー普及の目指す場所

見ている高さ → 目線  ・・・誰にターゲットを当てているのか

見ているところ →視点  ・・・どんな体験をさせるのか。

これまで散々3つの目の話をしてきましたが、実はこういう意味も考えていて、

芽🌱・・・若い芽を大切にしよう。 子ども、初心者には宝

目👀・・・周りの目を意識しよう。 自分の振る舞いはまだまだ界隈全体に響く。

愛❤️・・・ヨーヨーへの愛を自分の中に持とう。 愛なき継続は修羅の道。

忘れないで起きたいこととして、6つのめをこの記事に残しておきたいと思います。

実を言うと、自分の知人のヨーヨーティーチング勢は、さらにその先を見ています。この記事は、本当の本当の入りの部分をどうしたいのか と言う部分になります。

ヨーヨーができるようになってどうなりたいか。 ヨーヨーを教えてどうなりたいか。

個人的には 目標のその先ですね。WHERE どこに向かうか。の部分と思っています。日本語で言うと、目的になります。

この部分に関しては私はまだ勉強不足。いずれしっかりとした記事を書けるようになりたいので、勉強を重ねていきます。

長文読んでいただきありがとうございました。

競技だけがヨーヨーの楽しみではない。入り口から狭める必要はない。ヨーヨーはもっと自由でいい。一緒に楽しもう。

  1. リワインドのヨーヨーアカデミー参照。 動画はこちら ↩︎

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