
CJに参加した君、そう、そこのお前や。
今日はCJを見に行って君に話をしたかったんやが、先生、お腹いたくなっちゃって、帰ったから手紙の形で話をすることするで。
え?担任でもないくせに、えらそうな? まあ、だまって聞きなはれ。
今日はフリースタイルご苦労様でした。先生は、良かったと思うで?
ステージの上では最後まで泣かずにおりたやないか。
いやいや、いじわるちゃう。ええか? それは”ショーマンシップ”の一つでもあると先生は思ってるんや。
ショーマンシップって何?
〇〇シップと言えば、まずスポーツマンシップ
君の運動会とかで、6年生が開会式で「正々堂々たたかうことを誓います!」とか言うてるの聞いたことあるやろ? 選手宣誓ってやつや。 あの「正々堂々たたかう」という気持ちのことを スポーツマンシップと言うんや。
スポーツというのは、ルール通りにやっていたらいい。というわけではないんやで。 ジャッジに見られなければファウルをしていいわけでもないし、かげで わるぐちを 言っていいわけでもない。 おたがいが ルール以上の気持ちの部分で たたかうことを 大事にしているんや。
JYYFがやる地区大会や全国大会は、大人だけじゃなくて君たち子どもたちも参加するやろ?
大会のルールからしたら、「一番技が決まったやつが一位」というものなんやけど、絶対におらんやろけど、そいつがもし、
すっご〜〜〜〜〜〜く いやなことを言うやつやったり、
負けた選手に 「うっわ〜〜〜だっさ〜〜〜〜!」とか
「おれヨーヨーうめ〜〜〜〜!」とか
「まあ、おれ今日本気ちゃうけどな〜〜〜〜〜〜」
とか言うやつやったりしたらどうや?

なんで、こんなやつが一位になってん!!!
ってならんか? 先生はなるねんかな。多分、他の人もなるとおもうねん。
ちなみに、このことは、JYYFのルールの中の一つになってるんやで。
参加資格
今年度のB部門、ベーシック部門に参加しない方
日本在住者(就労、学生ビザなども含む)もしくは日本国籍を有している方
スポーツマンとして、正々堂々と、自分のベストを尽くし演技できる方
大会当日にJYYF選手会員(または賛助会員)の資格を有している方
JYYF
とまあ、スポーツマンシップていうのはそういうもんや。
ショーマンシップは、ステージ上での振ふる舞まいをいう。
ほんで、次はショーマンシップや。 〇〇シップというのがなんとなくわかると思うけど、ショーマン、つまりステージの上に立ち、お客さんを楽しませるショーをする人のことや。B部門の得点にあるやろ?
ショーマンシップ (SHW) – 10点
エンジョイメント、エンターテイメント、オーバーオールインプレッション
JYYF
- ストーリーやテーマはあったか
- 衣装などを効果的に利用していたか
- 見ている者を楽しませる、惹きつける演技であったか
競技ヨーヨーはスポーツっていう面と演技という面がある。それを得点にしたのが、TEとかFEってやつや。B部門はちゃうけどな。詳しくは、お兄ちゃんに聞いてや。
得点になる演技の部分だけがショーマンシップにつながるわけではないと思ってる。 ということを言いたいんや。
まあ、よく考えてみてや。もし、ステージ上でお客さんを楽しませる人が、途中で演技がうまくいかずに、「あ〜あ、もう今日技決まらないんでやめますわ!」といって帰っちゃったら。

ええ〜〜!!! じゃあ、なんで お前ステージの上立ってん!!!
ってならへんか? 先生はなるねんか。
そのステージの上に立ちたくても立てない人がいるってきれいごとを言いたいわけちゃうねん。
そのステージで1分という自分だけが見てもらえる時間をもらったなら最後までやりきれ。って話やねん。
よく君の担任の先生も言わへんか? 「できるできないじゃなくて、やるかやらないかや。」って。 言わんか。すまんの。
ほんで、先生の最初言ったことおもだしてみ? ステージの上では最後まで泣かずにおりたやないか。って言うたやろう?
そんなこと、見るところには書いてへんよな? なんでかって言うたら、ジャッジが見るところやないからや。
でもな、君の演技を見ている人は、ジャッジだけちゃうよな? 家の人や一緒に来た仲間もやけど、一番大事な お客さんや。 最後まで泣かずに おりたということは、お客さんが見てくれるところやから書いてへんねん。
1分間最後まで演技をする人としてやりきってステージを降りるというのは、一番安心することなんや。君はそれをやりきったんや。お客さんのみんなは思ってるはずやで。
泣くことは、はずかしいわけでは無い。人間が自分らしくいられるために流すもの。
泣きたいだけ泣けばいい。人前で泣くのは子どもの特権とっけん。
それでも、ステージを降りると思い返したはずや。
「もっとできたはず。」
そうやねん。ステージにあがった選手はみんなそう思って演技してんねん。そういう場所や。WJでは優勝というプライドもあるやろう。そして、自分の前に演技したライバルも見ていたはずや。気になるわな。
そういう、いろんな気持ちがぐちゃぐちゃになって、ステージを降りて、一気に押し寄せてきたはずやねん。それが大粒のナミダとして出てきたはずや。
でもな、人前で堂々と泣けるのは、子どもの特権なんやで。
君も赤ちゃんが泣いていてもなんとも思わへんと思うけど、大人が泣いているの見ると、「えっ・・・・どうしたの?」 ってなると思う。その感覚は、君が大人になればなるほど強くなるはずや。
お家の人見てみ? 人前でそんな泣かへんやろ? もちろん、君が優勝したときは泣いてくれたかもしれへんなあ。 大人ってな、そんだけ「泣く」ということに対して、子供っぽいって思っちゃうねん。
実は、かっぱ先生も仕事で先輩から、そんな人前で泣くなって叱られたこともあるわ。はは。
でも、見えへんところで声出しながら泣いてるで。先生もそうや。イワクラレイ選手最後のフリーが見られなかったとき、コバヤシトウヤ選手のCJのフリーが見られなかったとき、もう目をはらしながら泣いたもんやで。(ないしょやで)
子どもは、そうやって自分の気持ちを整理させて、心を成長させるもんなんや。
せやから、同じクラスの子に、

うっわ〜〜〜!!泣いてる〜〜〜! だっせーの〜〜〜〜!
とか言うやつがおったら、ちゃんと先生に言うのも大事やけど、自分の中で
「わいは、今 自分の気持を整理させる方法の練習をしてるんや。」
という気持ちでいたらええんやで。 そんなしょーもないやつのしょーもない言葉にふりまわされんでもええってことや。
大人も心がしんどいな〜って時には、どうしたらいいのか身につけてるねん。例えば、感動する映画を見て泣くことでスッキリする人がおる。
涙の中には、リラックスしたり、痛みを和らげる効果のある物質が含まれているんや。泣くことでリラックスした状態にもなりやすい。そうやって、大人もみんなしんどいことを乗り越えてんねやわ。
リラックスして、次はこうしよう、ああしようと心に誓うことで、メンタルって言うものを安定させる技を身につけるんや。
心技体しんぎたいというけど、もっと大事なものがある。
心技体って何?
物事をうまくなろうと思うと、この言葉をよく聞くようになると思うわ。心はさっき話した通りや。
技は技術のこと。要は、ヨーヨーの腕前や。
体はそのまま体や。健康な体や力の強さのことや。
技術は、人に教わったり、自分で磨いていけばええ。 さんだの君は、ええ先生いっぱいおるやろ?
体は、小学生の君はこれから大きくなる。自然と体つきも大人に近くなる。できる技もどんどん増えるで。
大事なのは一緒いっしょに考えてくれる仲間の存在そんざい。
さっき話した、技と体は 教えてもらったり、自分で鍛えたりしたらいい話なんやけど、最初の心がとっても難しいんや。君も見てきたと思うけど、
「あの人。めっちゃうまいのに一回のミスで、その後立て直せずに順位を落としてしまった。」
っていうことが、ヨーヨーの世界やスポーツの世界では起きやすい。一回のミスで心が乱されて、気持ちだけが焦ってしまい余計な力が入ったり、ヨーヨーのコントロールを失敗したりしてうまく体が動かせなくなるんや。多分君も今日そうやったんちゃうか?
この気持ちの調整をするのにトップアスリートたちは、スポーツメンタルコーチと呼ばれる人たちに気持ちを相談して気持ちを整えている。そうやって、本番で自分のパフォーマンスを最大限発揮することをしている。
君も学校でいろんなことがあって、担任の先生に相談したらちょっと気持ちが楽になったことないか?ホンマに相談したのに聞いてもらえなかったとしたら、お家の人に相談するんやで。家族はいつだって味方や。
そして、そういう相手はいろんな人がいていいんやけど、さんだには仲間がいっぱいおるやろ? 彼らを頼ったらええんやで。
実は、観客席が近くやったんやけど、さんだのメンバー、ええこと言ってたやん。(すまんの、聞き耳立てるつもりはなかったんや。)
「あのヨーヨー勧めたのお前やんなあ。アレ良くなかったよなあ。」
「帰ったら、男三人で反省会しやなな。」
多分、すっぽ抜けるのを防いだり、家で練習できるようにバイパーリミックスを勧めたと思うんや。実際にすっぽ抜けた場面あったけど、かんでしまって大変やったことを思って出た言葉やろうな。
こういうことを言い合える仲間ってなかなか見つかれへんで。リワインドの岡田店長の言葉を借りるなら

それだけで上位1%
やで。
こういう仲間との絆は心を強くしてくれる1。頼り切ってるわけじゃなくて、一人で立てるように心の支えになってくれるんや。ライバルと一緒に練習しながらも負けたくないという気持ちと一緒やで。それもメンタルを安定させてくれる一つや。

一人でもメンタル強く保てますが?
とか言う人いると思うけど、気にせんでええ。その人も周りの人と自分の位置を確認しながら自分を見られるようになってるんや。相手との距離感の違いやな。はい、一人でしてくださいってことや。
自分事じぶんごととして一緒に考えてくれる仲間のことを自分ごとになろう。
ほんで、先生が君に一番言いたいのはやな。ん? 話が長い? 最初に長い話言うたやないか。
次は、自分が仲間のことを自分ごとのように考えられるようになってや ってことや。
これは、先生がいつも言うてることやねんけど

うわー、失敗してしもた〜。先生に叱られてしもた〜
って子に対して、別の子が同じ失敗をしちゃうかもしれんやろ。そういう子に対して、優しい存在でいてやってな。ってことや。
仲間が自分を大事にしてくれる分、自分も仲間のこと大事にしよなってやつや。これは、仲間が失敗したときだけちゃうねん。自分の仲間が、大会で結果を残したときに、自分のことのように喜ぶってこともやねん。
今日の1Aの表彰見たか? ウチハシソラ選手の名前を呼ばれた瞬間、カツダトウゴ選手が全力で喜んでいたやろ? カツダ選手は、前のチャンピオンや。絶対に負けたくない相手や。それと同時に、一緒に練習してきた仲間や。
でもな、去年のCJの表彰ではな、ウチハシ選手がカツダ選手のことを全力で祝ってんねん。ウチハシ選手こんなええやつでヨーヨーうまいねん。去年はJJ優勝。圧巻の演技見たやろ? そして今年のCJ優勝。SNSでは祝福の嵐や。全国の中学生ヨーヨープレイヤーは胸熱くなったはずやで。
先生は、去年優勝したカツダ選手よりもウチハシ選手の心意気に感動したし、今年は、カツダ選手の器の広さを感じたわ。君もさんだのメンバーや全国のヨーヨープレイヤーとそんな関係になっていったら、きっと競技ヨーヨーを見てくれる子どもが憧れる世界になると思うねんな。
最後に
長い話やったけど、 おい ちょっと待ち、 最後のあいさつさせてくれや。
よお最後まで泣かんかったな。いっぱい泣いて心強くし。仲間大事にしーや。
言いたいのはこの3つや。 え? じゃあなんでこんな長いのかって?
先生は話が長いもんや。
ああ! 最後にもう一個だけ! おまけで言わせて

かーちゃんに ありがとう言うんやで。 大事にしーやー!
ほな、話は終わりや。最後までよう聞けたな。はい。気を付けて、さようなら。
- ペルソナ3のオープニングのセリフから引用しています。 ↩︎
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